黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
叫ぶと自分の声が頭に響くー!!
合わせていたストールの手を外して、ガンガンと痛む頭を手で押さえる。

「ね、寝ていれば治りますので…」

二日酔いの聖女!お医者様に見られたら恥ずかし過ぎる!

「まぁ…ミオお姉様…」

久し振りの二日酔いによる頭痛が辛くて涙目になり、恥ずかしくて赤い顔をしながら何でもないと伝える。

「…そうですか。大事なお身体ですので、ごゆっくりお休みくださいませ」

「あ、ありがとうございます」

ニッコリと微笑む王妃様と口元に手を添えているソフィー様にお礼を伝えてホッとする。

「さ、寝室へまいりましょう」

王妃様が私の身体を労るようにそっと手を添えて促してくれる。

「え? い、いえ!自分で歩けますので…」

訳が分からず寝室のベッドに寝かされて、王妃様はニコニコしながら部屋を出て行った。

「なんかよく分からないけど、先生を呼ばれなくて助かったわ。……寝よう」

まだ少し痛む頭を恨めしく思いながら身体の向きを変えると、シーツからウィル様の残り香がした。

「ッ!!」

さっき自覚したばかりの自分の気持ち。

「ドキドキし過ぎて眠れない!癒しの間のソファーで寝よう」


神殿から王宮へと戻る二人は上機嫌で通路を歩いていた。

「あの執着心の塊のような物はお兄様ですわよね?」

「ええ。寝室にウィリアムの上着が置いてあったわ」

「流石お兄様ね!新しいデザイン案が浮かんできたわ!ミオお姉様に似合う服と可愛いベビー服を作るわ!」

「結婚式のドレスについて話をしたかったけれど、予定を早めた方がいいかもしれないわね」

はしゃいでいる似た者親子だった。


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