黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
扉をノックする音が聞こえて目が覚めた。
窓から入る爽やかな風が心地良くて、ぐっすりと眠っていたようだ。
外を見るともう夕方で薄暗くなり始めていた。
この王国は日中は暖かな気温で過ごしやすいけれど、夜は少しだけ冷える。
ストールを羽織るとまた扉がノックされた。

「実桜様」

ウィル様だ!
胸がドキンと鳴って、落ち着かなくなった!
ど、どうしよう…。
まだ心の準備ができていない!

「実桜様…大丈夫ですか?」

あ、心配してくれてる!

「は、はい!」

慌ててドアを開けに行った。

「お待たせしました!」

「体調はいかがですか?」

「もう大丈夫です。昨日はご迷惑をおかけしました。飲み過ぎてごめんなさい」

「いいえ。とんでもない。役得でしたよ」

「え? 何が?」

部屋の前で話をしていて、痕だらけだったことを思い出した!
バッとストールで首を隠す!


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