黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「この先ずっとこの部屋で過ごすのです。あなたに会える男は私だけ。この綺麗な黒い瞳に映る男は私だけでいい」

今まで見たことがないウィル様の表情。
なぜか赤くなっていた私の手首をそっと掴み、唇を寄せて私を真っ直ぐに見つめる。
その怖いくらいに美しい人に捕らわれて動けなくなった。

「もっとあなたの身体中に印を残したい。消えないように」

痕が付いていない身体の部分の服の上を、掌でゆっくりと触れていくウィル様。

「ッ!!」

そして私の首筋に噛みつくようなキスをして、上書きするように同じところに痣を付ける。

「あ…ウィル…様!」

その熱く柔らかな唇の感触に背中が震えた。

「ここに黒子があることを知っている男も私だけでいい」

腰の辺りを撫でて耳元で囁く。

「んッ!」

ウィル様の低い声と吐息にまたゾクリとする。

「……あなたはどう思ったのですか?」

「え?」

「私とシェリーナのことをです」

「あ…」

私も…嫉妬したわ。
酔っぱらった私は嫉妬してウィル様に絡んでいたわ。

「あの…私…」

「少しは妬いてくれましたか?」

また視線を反らせてコクリと頷く。

「…実桜様、それは…」

待って!
まだ言葉で伝える勇気が出ない!
俯いたままでいるとウィル様がスッと私から離れた。


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