黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「それに、ミオったらウィリアム殿下にとても愛されているのね!」

「え?」

「大切そうにミオを抱きしめていたわよ。あれからその話で盛り上がっちゃったわ!ウィリアム殿下に憧れている子達は羨ましいって言っていたわよ」

「そ、そうなんだ…」

カァッと顔が赤くなり、頬に手を添えた。

「『恋人』のことで何か悩んでいたみたいだけど、大丈夫そうなんじゃないの?」

「うん…」

自分の気持ちには気づいたけれど、まだ怖いのよ…。

「おっ!ミオちゃんじゃないか!なんだい、綺麗な格好して!」

「本当だな!」

お祭りで顔見知りになった人達が声を掛けてくれた。
男性が数名お店に入って来たので、シエナ様の後ろに少し隠れてしまう。

「こんにちは。この後お仕事があるので…」

白いふんわりとしたレースが重なった素敵なドレス。
これもソフィー様がデザインしてくれたようだ。

「まだこんな所にいて大丈夫なの?」

今日は王都にある神殿で神殿関係者の定例会議があり、今回から私も参加することになっている。


< 195 / 257 >

この作品をシェア

pagetop