黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
緑豊かな山々が連なり、色鮮やかな花が咲き、青い海が広がるこの美しいエーデル王国。
一年中暖かくて過ごしやすく、この王国でしか採れない資源もあり小国ながら近隣諸国の中でも栄えている。
それはこの王国が女神に愛されている証。
爽やかな風が頬を撫で、後ろでひとつに結び背中の中程まである金色の髪がサラリと靡いた。
朝の陽の光さえも神聖なものに感じる静かな神殿の通路を目的地へと進む。
もう幾度となく通るこの通路が、今日は特別な空気に包まれているようだ。
いつもと違う…?
足を止めてどこまでも澄み渡る青い空を見上げると、また風が吹き抜け、何かを伝えるかのように小さな花びらが舞った。
「ウィリアム殿下、どうかされましたか?」
王宮騎士団の制服に身を包む優秀な騎士が、立ち止まってしまった私に訊ねた。
「リック」
私は振り向き、彼の名を呼ぶ。
リック・ミクロフィアは私の護衛をしてくれている。
代々王宮の騎士団を率いている家系で育ち、訓練を怠らない頼もしい同い年の幼馴染みだ。
「少し気になってね」
「本日こそはと?」
「ああ…」
金色の髪が陽の光を受けてより輝いている。
17歳ながらも国王様の補佐として鋭い政治的手腕を見せており、流石は次期国王だと王宮の重鎮や国民の期待も高い尊敬すべき幼馴染み。
いずれこの王国を背負い導く運命の若き美しい王子、ウィリアム・クラスディを眩しそうにリックは見る。
「今日こそは…」
ウィリアムは透き通るような海の色の青い瞳を切なそうに細めてそう呟いた後、丘の上にあるこの神殿から人々が住む街を眺めた。
一年中暖かくて過ごしやすく、この王国でしか採れない資源もあり小国ながら近隣諸国の中でも栄えている。
それはこの王国が女神に愛されている証。
爽やかな風が頬を撫で、後ろでひとつに結び背中の中程まである金色の髪がサラリと靡いた。
朝の陽の光さえも神聖なものに感じる静かな神殿の通路を目的地へと進む。
もう幾度となく通るこの通路が、今日は特別な空気に包まれているようだ。
いつもと違う…?
足を止めてどこまでも澄み渡る青い空を見上げると、また風が吹き抜け、何かを伝えるかのように小さな花びらが舞った。
「ウィリアム殿下、どうかされましたか?」
王宮騎士団の制服に身を包む優秀な騎士が、立ち止まってしまった私に訊ねた。
「リック」
私は振り向き、彼の名を呼ぶ。
リック・ミクロフィアは私の護衛をしてくれている。
代々王宮の騎士団を率いている家系で育ち、訓練を怠らない頼もしい同い年の幼馴染みだ。
「少し気になってね」
「本日こそはと?」
「ああ…」
金色の髪が陽の光を受けてより輝いている。
17歳ながらも国王様の補佐として鋭い政治的手腕を見せており、流石は次期国王だと王宮の重鎮や国民の期待も高い尊敬すべき幼馴染み。
いずれこの王国を背負い導く運命の若き美しい王子、ウィリアム・クラスディを眩しそうにリックは見る。
「今日こそは…」
ウィリアムは透き通るような海の色の青い瞳を切なそうに細めてそう呟いた後、丘の上にあるこの神殿から人々が住む街を眺めた。