黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「……そんな無能な男の声が聞きたいとおっしゃっているわ。どうせ今までと同じく、毎日ミオ様の部屋の前まで来ているんでしょ?」
「…だが」
スッとウィリアムの目の前に細長い箱を差し出すシエナ。
「これはミオ様からよ。あなたまで嫌われるのを怖がっていないで声を掛けてあげて。まぁ、今は私がミオ様を独占中だけどね」
クルリと身体の向きを変えて扉へと向かう。
シエナはその一歩手前で立ち止まった。
「ミオ様のお好きなあの白いお花の花言葉は『幸せの再来』だそうよ。あの方を幸せにするのは…あなたなんでしょ?」
執務室の扉が閉まり、部屋の中がシンと静まり返る。
「……流石は幼馴染み。容赦がないですね、リック」
「はい。本当に」
クックッと苦笑しながら答えるリックはもうひとりの幼馴染みを見る。
その人は受け取った細長い箱を開けて、愛しい人の名を呼び片手で顔を隠している。
「しかし、ごもっともなご意見でした。我々の次期国王様となるお方は有能な男のはずですよね」
側近のハリーも眼鏡の奥の瞳を細めてウィリアムを見る。
「……再度書類を確認する。他の資料も持ってきてくれ。リックは目を付けている周辺の範囲をより広げて探って来てくれ」
「かしこまりました!」
王宮の通路を歩く側近の二人は力強く前を向き歩く。
「この件では誰よりも強い怒りをあの美しい顔の裏に秘めている」
「はい。どう追い詰めるのか、見物ですね」
「…だが」
スッとウィリアムの目の前に細長い箱を差し出すシエナ。
「これはミオ様からよ。あなたまで嫌われるのを怖がっていないで声を掛けてあげて。まぁ、今は私がミオ様を独占中だけどね」
クルリと身体の向きを変えて扉へと向かう。
シエナはその一歩手前で立ち止まった。
「ミオ様のお好きなあの白いお花の花言葉は『幸せの再来』だそうよ。あの方を幸せにするのは…あなたなんでしょ?」
執務室の扉が閉まり、部屋の中がシンと静まり返る。
「……流石は幼馴染み。容赦がないですね、リック」
「はい。本当に」
クックッと苦笑しながら答えるリックはもうひとりの幼馴染みを見る。
その人は受け取った細長い箱を開けて、愛しい人の名を呼び片手で顔を隠している。
「しかし、ごもっともなご意見でした。我々の次期国王様となるお方は有能な男のはずですよね」
側近のハリーも眼鏡の奥の瞳を細めてウィリアムを見る。
「……再度書類を確認する。他の資料も持ってきてくれ。リックは目を付けている周辺の範囲をより広げて探って来てくれ」
「かしこまりました!」
王宮の通路を歩く側近の二人は力強く前を向き歩く。
「この件では誰よりも強い怒りをあの美しい顔の裏に秘めている」
「はい。どう追い詰めるのか、見物ですね」