黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
あ、また夢を見ている。
早く起きなきゃ!

『え? このドレスは…』

お母さんのウェディングドレス!?
嫌ッ!こんなの着ていたくない!

『似合わないわね』

『お母さん!?』

『あなたが幸せになれると思っているの? 愛されていると思っているの?』

『……それは!』

『どこにいてもあなたは同じよ。誰一人信じられないくせに…』

『ッ!!』

……どうしてこの世界でも私を苦しめるの?
思い出すから信じることが怖いのに!
私をこんな風にした人が何を言っているの!?

ザァァッと景色が変わり、馬車の中にいる。
ナイフを持った男がまた私に刃を向けて笑っていた!

『…来ないでッ!!』

ハッと目が覚めた!

「ふ…ぅ…」

ポタリと涙が流れる。

「もう嫌だ…」

お守りのネックレスが首元でシャラリと揺れた。
あの時震えていた私には、このお守りがなかったらまたナイフで切られていたわ。

「ウィル様…」

両手で包み、胸に抱きしめた。


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