黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
その日から毎日ウィル様と私の部屋の前で話をするようになった。
まだ扉を開くことはできないけれど、ウィル様の声は優しく心に響いてくる。
悪夢を見る回数も減り、少しずつ眠れる時間が長くなってきた。
それも毎日ウィル様が以前よりも気持ちを伝えてくれるからだ。
私はその度に不安が消えていく。
婚約したばかりの時は、ウィル様の熱烈な愛情表現から逃げていたはずなのに、今はそれを待ちわびているなんてね。


「本日はお顔色がとてもよろしいですわ!ミオ様」

「あ、うん。えと、最近眠れているからかな」

ウィル様から届いた私の好きな白いお花を手に、少し照れながら話をする私を微笑みながら見ているシエナ様。

「外はよく晴れた気持ちの良いお天気ですわ。…少しだけ庭園を歩いてみませんか?」

「え、でも…」

「この時間帯は人通りが少ないのでご安心くださいませ。それに、騎士団の中でもかなりの剣の腕を誇る私がお側についております!」

「人が少ない時間なの?」

それなら男の人にも会わないかな?

「ええ」

「確かにシエナ様はとても強かったわ」

「今は更に鍛練を積んでおりますわ!」

「フフッ!いつも頼りにしているわ。ありがとう、私の騎士様」

私はシエナ様にギュッと抱きついてお礼を伝えた。

「ミオ様…」

なんだか少し泣きそうな顔をしている?

「シエナ様?」

「……いえ。何でもございません。ミオ様、いかがいたしますか?」

ニコリといつものように優しく微笑みながら聞いてくれた。

「部屋の外に出てみるわ。傍についていてね!」

「もちろんでございます」


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