黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「なっ!護衛ごときが私に何を!」
王宮騎士団の制服を纏っているシエナ様をキッ睨んだフローレンス様。
「……容姿を磨けばウィリアム様が見初めてくれて王妃になれるとでも?」
シエナ様が後ろでひとつに結んでいた髪をほどいた。
サラリと輝くような美しい銀色の髪が広がる。
「あ、あなたは!シェリーナ様!?」
「ウィリアム様の婚約者候補の筆頭だとご自分でおっしゃっているようですが、家柄的に考えるのならば、それは私よ」
「それは!しかし、シェリーナ様は今まで何もおっしゃってこられなかったはず!ならば私だとお父様が!」
「何も言わない理由? そもそもそのようなお話もありませんでしたし、そんな話が我が公爵家に届くはずがありません。それはあなた方が勝手に憶測をしていただけのこと。それに私がウィリアムなんかと結婚なんてする訳がないわ!」
「な、なんか!?」
「早くお帰りになられた方がいいと思いますよ」
私の横にいるアーロ様が前髪をかき上げて、フローレンス様を冷たい目線で見下ろしている。
「あ、あなた様はアーロニー様では!?」
アーロニー様?
フローレンス様は二人を見てどうしてこんなに驚いているのかしら?
「そろそろ王宮からの使者が…」
「そ、そうよ!もうじきウィリアム殿下が我が屋敷へと来られるお時間だわ!失礼いたしますわ」
フローレンス様は慌ただしくこの場から去って行った。
「お二人共、ありがとうございました」
いろんなことがあって、頭の中が整理できない。
「ミオ様、とりあえず聖女の間に戻りましょう」
シエナ様が私の両肩に手を添えてくれて、私はゆっくりと歩き出した。
王宮騎士団の制服を纏っているシエナ様をキッ睨んだフローレンス様。
「……容姿を磨けばウィリアム様が見初めてくれて王妃になれるとでも?」
シエナ様が後ろでひとつに結んでいた髪をほどいた。
サラリと輝くような美しい銀色の髪が広がる。
「あ、あなたは!シェリーナ様!?」
「ウィリアム様の婚約者候補の筆頭だとご自分でおっしゃっているようですが、家柄的に考えるのならば、それは私よ」
「それは!しかし、シェリーナ様は今まで何もおっしゃってこられなかったはず!ならば私だとお父様が!」
「何も言わない理由? そもそもそのようなお話もありませんでしたし、そんな話が我が公爵家に届くはずがありません。それはあなた方が勝手に憶測をしていただけのこと。それに私がウィリアムなんかと結婚なんてする訳がないわ!」
「な、なんか!?」
「早くお帰りになられた方がいいと思いますよ」
私の横にいるアーロ様が前髪をかき上げて、フローレンス様を冷たい目線で見下ろしている。
「あ、あなた様はアーロニー様では!?」
アーロニー様?
フローレンス様は二人を見てどうしてこんなに驚いているのかしら?
「そろそろ王宮からの使者が…」
「そ、そうよ!もうじきウィリアム殿下が我が屋敷へと来られるお時間だわ!失礼いたしますわ」
フローレンス様は慌ただしくこの場から去って行った。
「お二人共、ありがとうございました」
いろんなことがあって、頭の中が整理できない。
「ミオ様、とりあえず聖女の間に戻りましょう」
シエナ様が私の両肩に手を添えてくれて、私はゆっくりと歩き出した。