黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
争いもなく穏やかな日々が続く愛すべきこのエーデル王国。
いつまでもこのままでいてほしい。
このエーデル王国には受け継がれる伝承がある。
『100年に一度、この国に平和をもたらしてくれる聖女様が現れる』と。
聖女様は神殿の『聖女の間』に降りて来ると言われている。
それを確認することは王族の勤めである。
幼い頃から繰り返し聞いていたこの伝承。
聖女様に会えるという喜びと、聖女様はこの王国に来ることをどう受けとめてくれるのかという思い。
そしてその聖女様のお力が必要な程、この王国の平和がいつか崩れてしまう時があるのかもしれないのか?という不安を抱いてきた。
私が7歳になった年に本当に聖女様は現れた。
私は聖女様から目が離せなかった。
長い睫毛に形の良い小さな唇、ほんのりとピンク色に色づいた頬、輝くような白い肌、そして艶やかな黒髪。
大人びたその人は、肩や首元が露になった光沢のある上質な白いドレスを纏い、聖女様が降りて来ると言われていた寝台に、優しく微笑むようにして眠っていた。
「なんて美しい人だ……」
私達は聖女様の目覚めを待った。
しかし、何日も聖女様は眠ったまま。
どうしてなのか。
理由は分からないが、いつまでも優しい微笑みを浮かべながらその美しい人は眠っていた。
聖女様は眠ったままだが、王国の平和は保たれていた。
この過ごしやすく暖かな気温が聖女様がこの王国を守ってくださっている証で、人々も安心して生活を送れている。
私は毎日聖女様に会いに行った。
今日こそはあなたが目覚めてくれるのではないか。
あなたの瞳はどんな色なのか、その形の良い唇からはどんな声が聞こえるのか、そしてあなたの笑顔はどんな……。
あなたの名前が知りたい。
あなたのすべてを知りたい。
その綺麗な黒髪に触れてみたい。
私は穏やかに眠る美しい聖女様に恋をした。
いつまでもこのままでいてほしい。
このエーデル王国には受け継がれる伝承がある。
『100年に一度、この国に平和をもたらしてくれる聖女様が現れる』と。
聖女様は神殿の『聖女の間』に降りて来ると言われている。
それを確認することは王族の勤めである。
幼い頃から繰り返し聞いていたこの伝承。
聖女様に会えるという喜びと、聖女様はこの王国に来ることをどう受けとめてくれるのかという思い。
そしてその聖女様のお力が必要な程、この王国の平和がいつか崩れてしまう時があるのかもしれないのか?という不安を抱いてきた。
私が7歳になった年に本当に聖女様は現れた。
私は聖女様から目が離せなかった。
長い睫毛に形の良い小さな唇、ほんのりとピンク色に色づいた頬、輝くような白い肌、そして艶やかな黒髪。
大人びたその人は、肩や首元が露になった光沢のある上質な白いドレスを纏い、聖女様が降りて来ると言われていた寝台に、優しく微笑むようにして眠っていた。
「なんて美しい人だ……」
私達は聖女様の目覚めを待った。
しかし、何日も聖女様は眠ったまま。
どうしてなのか。
理由は分からないが、いつまでも優しい微笑みを浮かべながらその美しい人は眠っていた。
聖女様は眠ったままだが、王国の平和は保たれていた。
この過ごしやすく暖かな気温が聖女様がこの王国を守ってくださっている証で、人々も安心して生活を送れている。
私は毎日聖女様に会いに行った。
今日こそはあなたが目覚めてくれるのではないか。
あなたの瞳はどんな色なのか、その形の良い唇からはどんな声が聞こえるのか、そしてあなたの笑顔はどんな……。
あなたの名前が知りたい。
あなたのすべてを知りたい。
その綺麗な黒髪に触れてみたい。
私は穏やかに眠る美しい聖女様に恋をした。