黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
第二章 聖女の能力
私が10年振りに目覚めてから1週間が過ぎた。
「はぁー!気持ちいい!この王国に来てからは特にお風呂が好きになったわ……」
香りの良い薔薇のような可愛いお花が浮いている。
「勝手にフワフワと舞い落ちてくるのよね…。これも聖女様の力が関係してるのかしら?」
前世の頃なら怪奇現象!?と思ってしまうことも、聖女なんて人が存在するのだからと受けとめてしまっている。
掌でお花を掬ってみるとキラリと光った。
「あ、また光った!綺麗!」
バスルームから出るとまたフワーッと暖かい風に包まれて、しばらくすると髪も乾いた!
「最初は驚いたけど便利だわ。どうなっているのかしら、この聖女の間というのは」
「フフッ。流石は聖女様ですね。今まで私達がお部屋を整える為にその場所に立っていても何も起きませんでしたよ」
シエナ様がニコニコしながら待っていてくれた。
「本日のお召し物はいかがいたしますか?」
「あれ? なんだか増えてる?」
「……そうでしたか?」
「前に選んだ青いドレスの色違いと、デザインが少し違うタイプのドレスがありますね。私の年齢的にはもう少し落ち着いた色合いの方がいいと思うのですが…。あ、この紺色のドレスにします。大人っぽくて素敵なデザインですね」
それに、これもワンピースみたいで楽そうなドレスだわ。
「こちらですね。かしこまりました」
「あ、でも着替えは自分でできますので……」
毎回断るのだけど…。
「いいえ、お手伝いさせていただきます!私の仕事ですので!」
「うっ!」
仕事と言われると、何も言えない。
シエナ様も徐々に私のことが分かってきているわ。
でも入浴や身体を洗うのは恥ずかしいから断固として断り続けている。
シエナ様が髪もセットしてお化粧もしてくれた。
侍女の勉強もしているだけあって、シエナ様のお仕事は完璧だわ。
「わぁ!綺麗にしていただいてありがとうございます」
鏡に映った自分を見てホゥとため息が出る。
これがこの世界の私かぁ。
前は動きやすさを重視した格好に、化粧は適当、車は自分で運転して朝早くから市場で仕入れをして、その後にお店へと急いで向かい、とにかく忙しく動き回っていたんだよね。
前世では考えられないお嬢様な姿だわね。
日常的にドレスを着ることにはまだ慣れないけれど。
「はぁー!気持ちいい!この王国に来てからは特にお風呂が好きになったわ……」
香りの良い薔薇のような可愛いお花が浮いている。
「勝手にフワフワと舞い落ちてくるのよね…。これも聖女様の力が関係してるのかしら?」
前世の頃なら怪奇現象!?と思ってしまうことも、聖女なんて人が存在するのだからと受けとめてしまっている。
掌でお花を掬ってみるとキラリと光った。
「あ、また光った!綺麗!」
バスルームから出るとまたフワーッと暖かい風に包まれて、しばらくすると髪も乾いた!
「最初は驚いたけど便利だわ。どうなっているのかしら、この聖女の間というのは」
「フフッ。流石は聖女様ですね。今まで私達がお部屋を整える為にその場所に立っていても何も起きませんでしたよ」
シエナ様がニコニコしながら待っていてくれた。
「本日のお召し物はいかがいたしますか?」
「あれ? なんだか増えてる?」
「……そうでしたか?」
「前に選んだ青いドレスの色違いと、デザインが少し違うタイプのドレスがありますね。私の年齢的にはもう少し落ち着いた色合いの方がいいと思うのですが…。あ、この紺色のドレスにします。大人っぽくて素敵なデザインですね」
それに、これもワンピースみたいで楽そうなドレスだわ。
「こちらですね。かしこまりました」
「あ、でも着替えは自分でできますので……」
毎回断るのだけど…。
「いいえ、お手伝いさせていただきます!私の仕事ですので!」
「うっ!」
仕事と言われると、何も言えない。
シエナ様も徐々に私のことが分かってきているわ。
でも入浴や身体を洗うのは恥ずかしいから断固として断り続けている。
シエナ様が髪もセットしてお化粧もしてくれた。
侍女の勉強もしているだけあって、シエナ様のお仕事は完璧だわ。
「わぁ!綺麗にしていただいてありがとうございます」
鏡に映った自分を見てホゥとため息が出る。
これがこの世界の私かぁ。
前は動きやすさを重視した格好に、化粧は適当、車は自分で運転して朝早くから市場で仕入れをして、その後にお店へと急いで向かい、とにかく忙しく動き回っていたんだよね。
前世では考えられないお嬢様な姿だわね。
日常的にドレスを着ることにはまだ慣れないけれど。