黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「ミオ様、お疲れではありませんか?」
「大丈夫ですよ。いつも気にかけてくださり、ありがとうございます」
「日々、能力の練習やこの世界のことについての勉強。ミオ様がとても真面目な方だということは分かりましたが、少し詰めすぎではありませんか?」
「……いえ、知らないことを学べるのは楽しいですし、この王国の皆様のお役に立てるようになりたいので、もっと勉強しないと」
私は聖女なんだから、この王国の人達に必要とされるように頑張らなきゃ。
「ミオ様…」
「今日は風の力の練習をしていたんですよ。少しずつコツが掴めてきました。見ていてくださいね」
私は掌を前にかざして風を起こしてみた。
するとこの中庭に勢いよくゴォッ!と突風が吹き抜けていき、周りにいた人達が悲鳴を上げた!
「キャアア!」
「な、何事だ!」
「えええ!? 嘘でしょ!?」
ち、力加減を間違えた!?
「あぁっ!どうしましょう!風で王妃様のハンカチが!」
声がした方を振り向くと、若い王宮侍女のひとりが背の高い木の上を指差してオロオロと困っていた。
緑の葉の枝にハンカチが掛かっている。
「大変!私が起こした風で飛んでしまったの!? ごめんなさい!」
私は慌てて侍女さんに掛け寄って謝った。
「い、いえ!私が手を離してしまったものですから!」
見上げるとかなり高い所にあり、手では届きそうにない。
「……もう一度風を起こしてみますね」
それで落ちてくれたらいいけど。
さっきより弱めに力を込める。
サァァー!
下から風を起こすとハンカチがフワッと浮き上がった!
「あっ!取れましたね!そのまま落ちて…えっ!?」
ハンカチは落ちることなく、上の枝にまた引っ掛かってしまった!
「嘘!? 更に高い所に行ってしまったわ!ごめんなさい!」
「あぁっ!」
二人して困っているとウィル様が声を掛けてくれた。
「今、庭師に伝えに行っています。じきに取れますよ」
「えっ!すみません!ありがとうございます」
「ウィリアム殿下!申し訳ございません!」
良かった!
「見事な突風でしたね」
ウィル様がクスクスと笑っている。
「大丈夫ですよ。いつも気にかけてくださり、ありがとうございます」
「日々、能力の練習やこの世界のことについての勉強。ミオ様がとても真面目な方だということは分かりましたが、少し詰めすぎではありませんか?」
「……いえ、知らないことを学べるのは楽しいですし、この王国の皆様のお役に立てるようになりたいので、もっと勉強しないと」
私は聖女なんだから、この王国の人達に必要とされるように頑張らなきゃ。
「ミオ様…」
「今日は風の力の練習をしていたんですよ。少しずつコツが掴めてきました。見ていてくださいね」
私は掌を前にかざして風を起こしてみた。
するとこの中庭に勢いよくゴォッ!と突風が吹き抜けていき、周りにいた人達が悲鳴を上げた!
「キャアア!」
「な、何事だ!」
「えええ!? 嘘でしょ!?」
ち、力加減を間違えた!?
「あぁっ!どうしましょう!風で王妃様のハンカチが!」
声がした方を振り向くと、若い王宮侍女のひとりが背の高い木の上を指差してオロオロと困っていた。
緑の葉の枝にハンカチが掛かっている。
「大変!私が起こした風で飛んでしまったの!? ごめんなさい!」
私は慌てて侍女さんに掛け寄って謝った。
「い、いえ!私が手を離してしまったものですから!」
見上げるとかなり高い所にあり、手では届きそうにない。
「……もう一度風を起こしてみますね」
それで落ちてくれたらいいけど。
さっきより弱めに力を込める。
サァァー!
下から風を起こすとハンカチがフワッと浮き上がった!
「あっ!取れましたね!そのまま落ちて…えっ!?」
ハンカチは落ちることなく、上の枝にまた引っ掛かってしまった!
「嘘!? 更に高い所に行ってしまったわ!ごめんなさい!」
「あぁっ!」
二人して困っているとウィル様が声を掛けてくれた。
「今、庭師に伝えに行っています。じきに取れますよ」
「えっ!すみません!ありがとうございます」
「ウィリアム殿下!申し訳ございません!」
良かった!
「見事な突風でしたね」
ウィル様がクスクスと笑っている。