黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「まだまだ練習しないといけませんね。そうだ!少し待っていてください。思いつきました!」
私は風の力を込める練習をした水晶を置いてある所へと向かった。
「アーロ様、ここにある細長い水晶を4つ、この椅子の足の所になんとか付けられませんか?」
「風の水晶をですか?」
眼鏡のフレームを触りながら、ふむ、と考えて荷物を纏める際に使っているという麻紐を取り出して椅子に結んでくれた。
「かなり簡単にですが、こちらでどうでしょうか?」
「ありがとうございます!少し試してみてもいいですか?」
皆が見ている中、私は椅子を持って皆から少し離れた。
そしてサッと椅子に座わり、風を操ってみる。
「ミオ様!いけません!お待ちください!!」
私が今からやろうとしていることにいち早く気づいたウィル様が、私に向かって声を上げて駆け寄って来た。
フワァーッ!
4つの水晶から風が同時に出て、椅子ごと私の身体がグンッと上昇した!
「ッ!!」
予想より上昇するスピードが早かったのでガシッと椅子の背凭れにしがみついた!
「「「ミオ様ッ!!」」」
「「「聖女様!!」」」
皆が驚きながら私の名前を叫ぶように呼ぶ。
地上から約10メートル程一気に上昇してしまった!
さっき自分が言ったばかりの『まだまだ練習しないといけませんね』を思い出した。
言った側から何をやっているのか。
少し試してみようと思っただけだったのに!
上手くいけばハンカチを取れるかもと…。
「た、た、高い!怖いぃ!」
止まったのはいいけど、椅子に座ったままプカプカ浮いている。
また力を使うのが怖い!
そうしないと降りれないけど、更に上昇してしまったらどうしよう!
「アーロ!風の水晶で同じ物を用意してくれ!」
「……ウィリアム殿下、それはできません」
「なぜだッ!」
「聖女様だからこそ、今あのようなことができているのです。まず、この水晶がどのくらいの風力があるのかを調べ、同等の物で作らないと我々ではとても…。ミオ様の所までたどり着けずに落下して大怪我をするか、もっと上昇してしまうか…」
「ウィリアム殿下!ミオ様の元へたどり着けなければ本末転倒。そして、ご自分のお立場をお考えくださいませ。ミオ様を助ける方法は別にあるはずです!」
ウィリアムの側近達は必死に止めた。
「クッ!……ありったけのマットや寝具、大きめのクッション等を集めろ!」
「はっ!」
私は風の力を込める練習をした水晶を置いてある所へと向かった。
「アーロ様、ここにある細長い水晶を4つ、この椅子の足の所になんとか付けられませんか?」
「風の水晶をですか?」
眼鏡のフレームを触りながら、ふむ、と考えて荷物を纏める際に使っているという麻紐を取り出して椅子に結んでくれた。
「かなり簡単にですが、こちらでどうでしょうか?」
「ありがとうございます!少し試してみてもいいですか?」
皆が見ている中、私は椅子を持って皆から少し離れた。
そしてサッと椅子に座わり、風を操ってみる。
「ミオ様!いけません!お待ちください!!」
私が今からやろうとしていることにいち早く気づいたウィル様が、私に向かって声を上げて駆け寄って来た。
フワァーッ!
4つの水晶から風が同時に出て、椅子ごと私の身体がグンッと上昇した!
「ッ!!」
予想より上昇するスピードが早かったのでガシッと椅子の背凭れにしがみついた!
「「「ミオ様ッ!!」」」
「「「聖女様!!」」」
皆が驚きながら私の名前を叫ぶように呼ぶ。
地上から約10メートル程一気に上昇してしまった!
さっき自分が言ったばかりの『まだまだ練習しないといけませんね』を思い出した。
言った側から何をやっているのか。
少し試してみようと思っただけだったのに!
上手くいけばハンカチを取れるかもと…。
「た、た、高い!怖いぃ!」
止まったのはいいけど、椅子に座ったままプカプカ浮いている。
また力を使うのが怖い!
そうしないと降りれないけど、更に上昇してしまったらどうしよう!
「アーロ!風の水晶で同じ物を用意してくれ!」
「……ウィリアム殿下、それはできません」
「なぜだッ!」
「聖女様だからこそ、今あのようなことができているのです。まず、この水晶がどのくらいの風力があるのかを調べ、同等の物で作らないと我々ではとても…。ミオ様の所までたどり着けずに落下して大怪我をするか、もっと上昇してしまうか…」
「ウィリアム殿下!ミオ様の元へたどり着けなければ本末転倒。そして、ご自分のお立場をお考えくださいませ。ミオ様を助ける方法は別にあるはずです!」
ウィリアムの側近達は必死に止めた。
「クッ!……ありったけのマットや寝具、大きめのクッション等を集めろ!」
「はっ!」