黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「落ち着いてください。私です」

「へ? ウ、ウィル様?」

この世界で一番話をしているウィル様の声にホッとして、ゆっくりと瞼を開く。
目の前にはいつもの穏やかで優しい微笑みのウィル様。
綺麗に澄んだ青い瞳とサラリとした長い輝く金色の髪が…?

「え、短い!」

「フフッ。はい」

少し照れたように首元に手を添えて微笑むウィル様。

「うわ!バッサリと短く!」

背中の中程まで伸ばしていた髪が、襟足に少しかかるくらいの短さになっている!

「えー!今までも素敵でしたが、短いのもお似合いです!」

美形はどんな髪型でも似合うのね!
美しさはそのまま変わらないけれど、格好いいわ!
野外フェスの緊張もどこかに吹き飛んではしゃいでしまった。

「私が怖くはないでしょうか?」

「ええ!? 何でですか? 怖くなんてないですよ!」

「そうですか。良かった…」

どこか安心した表情のウィル様が私を見て微笑んだ。

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