黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「さぁ、そろそろ出番ですよ。少し直しますね」
シエナ様が衣装を整えてくれる。
「ねぇ、シエナ様」
「はい」
「ベールは黒髪を隠しておく為だろうけど、なんだか結婚式みたいじゃない? この王国ではそんなことはないのかしら?」
「……そうですね。我が王国でも結婚式でもベールは着用しますよ。ウィリアム様のお考えがあるのでしょうね」
少し困ったように微笑み、私を見ているシエナ様。
「エーデル王国でもそうなのね。綺麗なレースのベールだけど、結婚式でもないのにこのベールはちょっと恥ずかしいような。それに、いずれウィル様と結婚する方にも申し訳ないような……」
私は丈の長い手触りの良いベールを両手で触る。
「そんなことはありませんわ!そのベールもミオ様にとてもお似合いですわ!」
ソフィー様が力説してくれる。
「そう?」
「もちろんです!ねぇ、クロエ!」
「フフッ。ええ。とてもお綺麗ですわ」
「あぁ。早くお兄様と本当の結婚式をしたミオ様をお姉様とお呼びしたいわ…」
頬に手を添えて小声で何かを呟いている。
「え? ソフィー様?」
「いいえ!何でもありませんわ!」
「皆様、お時間ですよ」
「わ!もう!? ソフィー様、クロエ様、そしてエマ様もよろしくお願いいたします!」
「さぁ、ミオ様まいりましょう!」
流石、王女様ね。
人前に出るのに慣れているのね。
私は二人と手を繋いで舞台に向かい足を進めた。
クロエ様の車椅子を押しているのは侍女のエマ様だ。
シエナ様が衣装を整えてくれる。
「ねぇ、シエナ様」
「はい」
「ベールは黒髪を隠しておく為だろうけど、なんだか結婚式みたいじゃない? この王国ではそんなことはないのかしら?」
「……そうですね。我が王国でも結婚式でもベールは着用しますよ。ウィリアム様のお考えがあるのでしょうね」
少し困ったように微笑み、私を見ているシエナ様。
「エーデル王国でもそうなのね。綺麗なレースのベールだけど、結婚式でもないのにこのベールはちょっと恥ずかしいような。それに、いずれウィル様と結婚する方にも申し訳ないような……」
私は丈の長い手触りの良いベールを両手で触る。
「そんなことはありませんわ!そのベールもミオ様にとてもお似合いですわ!」
ソフィー様が力説してくれる。
「そう?」
「もちろんです!ねぇ、クロエ!」
「フフッ。ええ。とてもお綺麗ですわ」
「あぁ。早くお兄様と本当の結婚式をしたミオ様をお姉様とお呼びしたいわ…」
頬に手を添えて小声で何かを呟いている。
「え? ソフィー様?」
「いいえ!何でもありませんわ!」
「皆様、お時間ですよ」
「わ!もう!? ソフィー様、クロエ様、そしてエマ様もよろしくお願いいたします!」
「さぁ、ミオ様まいりましょう!」
流石、王女様ね。
人前に出るのに慣れているのね。
私は二人と手を繋いで舞台に向かい足を進めた。
クロエ様の車椅子を押しているのは侍女のエマ様だ。