黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
第四章 聖女の戸惑い
今日もエーデル王国には綺麗な青い空が拡がっている。
オレンジ色の屋根に白い石造りの家が建ち並び、その向こう側には青い海も見え、色とりどりの花が咲く素敵な所だ。
でも私はこのよく晴れたお天気には不釣り合いな顔をしている。
「ミオ様、そろそろ許していただけませんか?」
春のような暖かい気温のこの王国では珍しい冷たい風がヒュッ!と吹き、ウィル様の短くなった金色の髪が靡く。
「……」
ツーンとそっぽを向いて庭園にある長椅子に座り、返事をしない私。
「こちらを向いてください」
私の隣に座り、腰に腕を回して私をギュッと抱きしめるウィル様。
「なッ!?」
「お願いです…」
眉を下げてその美しい顔を悲しそうにしたって…そんな顔をしたって…。
その悲しそうな顔には弱いのよ!
私が悪いことをしているみたいじゃない。
子供を虐めているみたいで!
「だ、だから、取り消してくれるならって…」
「それはできません」
「どうして!?」
「ミオ様が好きだからです」
「うっ!」
神殿でのお仕事を済ませて庭園を歩いていたら、公務を終えたウィル様が王宮に戻るのではなく、真っ直ぐに私の所へ来た。
私はチラリとウィル様を見てから避けるように早歩きをした。
怒っている原因であるウィル様を無視していたら、ウィル様に捕まってこんなことになっている!
このやり取りも最近何度も繰り返しているのだけど…。
「腕を離して!ち、ちょっと!」
ウィル様に抗議をするけど、ウィル様は私の赤い顔を見て嬉しそうにしてからパッと手を離した。
「まぁ!本日もミオ様の元へとお戻りになられているわ!」
「仲睦まじいお二人ね」
周りの人達にはそう見えるらしい。
オレンジ色の屋根に白い石造りの家が建ち並び、その向こう側には青い海も見え、色とりどりの花が咲く素敵な所だ。
でも私はこのよく晴れたお天気には不釣り合いな顔をしている。
「ミオ様、そろそろ許していただけませんか?」
春のような暖かい気温のこの王国では珍しい冷たい風がヒュッ!と吹き、ウィル様の短くなった金色の髪が靡く。
「……」
ツーンとそっぽを向いて庭園にある長椅子に座り、返事をしない私。
「こちらを向いてください」
私の隣に座り、腰に腕を回して私をギュッと抱きしめるウィル様。
「なッ!?」
「お願いです…」
眉を下げてその美しい顔を悲しそうにしたって…そんな顔をしたって…。
その悲しそうな顔には弱いのよ!
私が悪いことをしているみたいじゃない。
子供を虐めているみたいで!
「だ、だから、取り消してくれるならって…」
「それはできません」
「どうして!?」
「ミオ様が好きだからです」
「うっ!」
神殿でのお仕事を済ませて庭園を歩いていたら、公務を終えたウィル様が王宮に戻るのではなく、真っ直ぐに私の所へ来た。
私はチラリとウィル様を見てから避けるように早歩きをした。
怒っている原因であるウィル様を無視していたら、ウィル様に捕まってこんなことになっている!
このやり取りも最近何度も繰り返しているのだけど…。
「腕を離して!ち、ちょっと!」
ウィル様に抗議をするけど、ウィル様は私の赤い顔を見て嬉しそうにしてからパッと手を離した。
「まぁ!本日もミオ様の元へとお戻りになられているわ!」
「仲睦まじいお二人ね」
周りの人達にはそう見えるらしい。