14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
大和さんはそっけない態度で車をロックすると、公園の中へ歩を進め、その後ろ姿をついて行く。
大和君に会えなくなってから、二度とここには足を踏み入れていなかった。
約束を守れなく、連絡先も知らなかったので、あの頃は相当心が痛んで二学期になってもずっと落ち込んでいた。
体育祭にも身が入らず、用具につまずいて酷い捻挫をしてしまい松葉杖を使わないと動けない状態で見学をする始末だった。
ゆっくりあの水飲み場に近づくと立ち止まる。
公園で遊んでいる子供は見当たらない。
「もちろん忘れていなかったよ」
懐かしい公園に入ったら、あの頃の自分に戻ったみたいだ。
「でも、紬希は約束に現れなかった」
「うん……ごめんなさい。行きたかった。でも、北海道のおじいちゃんが脳梗塞で倒れて、東京に戻れなかったの。連絡をする手段もなくて……」
「おじいさんが……」
彼は頷く。けれど、それが納得してくれたのかはわからない。
今は小学生でもスマホを持つ時代になったが、あの頃の私たちは名前しか知らなかったし、ここへ来れば会えて、それだけで楽しかった。
大和君を好きだったけれど、彼の気持ちなんてとてもじゃないが確かめることなんて出来なかった。
私のことをどう思っている? 好き? なんて聞いたら、放課後気楽に会っている関係が終わってしまうのではないかと思っていたから。
「ごめんなさい……」
大和君に会えなくなってから、二度とここには足を踏み入れていなかった。
約束を守れなく、連絡先も知らなかったので、あの頃は相当心が痛んで二学期になってもずっと落ち込んでいた。
体育祭にも身が入らず、用具につまずいて酷い捻挫をしてしまい松葉杖を使わないと動けない状態で見学をする始末だった。
ゆっくりあの水飲み場に近づくと立ち止まる。
公園で遊んでいる子供は見当たらない。
「もちろん忘れていなかったよ」
懐かしい公園に入ったら、あの頃の自分に戻ったみたいだ。
「でも、紬希は約束に現れなかった」
「うん……ごめんなさい。行きたかった。でも、北海道のおじいちゃんが脳梗塞で倒れて、東京に戻れなかったの。連絡をする手段もなくて……」
「おじいさんが……」
彼は頷く。けれど、それが納得してくれたのかはわからない。
今は小学生でもスマホを持つ時代になったが、あの頃の私たちは名前しか知らなかったし、ここへ来れば会えて、それだけで楽しかった。
大和君を好きだったけれど、彼の気持ちなんてとてもじゃないが確かめることなんて出来なかった。
私のことをどう思っている? 好き? なんて聞いたら、放課後気楽に会っている関係が終わってしまうのではないかと思っていたから。
「ごめんなさい……」