14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 何度も愛の言葉を紡ぐ唇は、想像もつかなかったところへ移動する。

 舌と指で高みに持っていかれ、結ばれた。

 言葉では表しきれないほど幸せな想いに包まれる。
 
「愛している。かわいすぎて、っはぁ……、ずっと抱いていたいくらいだ」

 しばらく荒い呼吸で大和さんは私を抱きしめていた。
 彼が愛おしくて、私も背中に腕を回して滑らかな肌を撫でる。

 呼吸が整い始めてくると私のおでこにキスが落とし、隣に転がるようにして大和さんが離れる。

 それから首の下に腕が差し込まれて引き寄せられた。
 髪が優しさに溢れる手つきで梳かれる。

「大丈夫? 痛みはない?」

 破瓜の痛みはあったものの、私の知識やあやめの言葉から考えると、充分に時間をかけてくれたのだろう。それほどではなかったと思う。

「平気……」

「良かった。少し休んだら何か作るよ」

「大和さんがお料理を?」

 顔を上げて、彼の胸に手を置いて顎をつけて見遣る。

「向こうでひとり暮らしが長いから、最高においしいとまではいかないが簡単なものなら作れるよ」

「それだったら私よりも上手かも。でも、私に作らせて。あの素敵なキッチンでお料理してみたいわ」

 大和さんが破顔する。

「すぐに嫌だって思うくらいキッチンに立つのに?」

「すぐに……?」
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