14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
エピローグ
梅雨が終わった七月の下旬。
今日、都内の高級ホテルで結婚式を挙げる。この日のために最高の結婚式にしようとウエディングプランをプランナーと練った。
昨晩、あやめから電話があって、彼女のお父さんはようやくテツヤさんを認めてくれたと言っていた。
テレビ番組でテツヤさんを見る機会も少し増えているが、まだ狭いアパート暮らし。でも、あやめから愚痴はひとつも出てこない。
あやめの問題は常にご両親と和解できたらいいなと思っていたので、憂いも取れて気分がスッキリしている。
早起きしてアイスコーヒーとカフェラテを入れ、ベランダのテーブルで朝食を並べ終えたとき、シャワーから出て髪がしっとり濡れている大和さんが現れた。
「大和さん、食べましょう」
「朝から盛りだくさんだな」
「プランナーさんが今日一日は食べられる時に口に入れた方が良いってアドバイスもらったから」
「やっと結婚式だな。早く紬希のウエディングドレス姿を見たい」
「見たいって、もうすでに見ているのに」
「もとい。招待客に見せびらかしたい」
大和さんは訂正してニヤッと口角を上げると、アイスコーヒーを飲む。
「もうっ、見せびらかしたいって……」
「仕方ないだろ。かわいいんだから」