14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
二、飛び込んで来た彼女(大和サイド)
彼女がレストランの個室に入ってきた瞬間、信じられなく、夢でも見ているのだろうかと思った。
ニューヨークから戻り一カ月が経っていた。
ようやく日本に生活の拠点を置くことが叶い、帰国してすぐに秋葉紬希の調査を信頼のおける興信所へ依頼した。
目の前にいる女性は見合い相手の宮崎あやめではなく、俺がずっと会いたいと思っていた紬希だ。
彼女とは俺が中学二年のときに知り合った。紬希は別の中学校の一年だった。
その頃、母子家庭の俺は部活にも入らず、学校が終わると近所の公園で読書や宿題をしていた。
やる気になればサッカーや野球、水泳で俺に勝てる奴はいない。勉強もクラスで常にトップだ。
クラスメイト達は考え方が幼く、特に親しい友人を作りたいと思わなかったのだ。
ほぼ毎日、雨の日以外放課後は近所の公園で時間を潰していた。
あと一カ月で夏休みになるという頃、紬希は俺の前に現れた。