14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
食事が終わりかけた頃、部屋の電話が突然鳴ってビクッと肩を跳ねらせる。
「急に鳴ると驚くよな」
そう笑って、大和さんが電話のところまで足を運んで電話に出て話し始める。
「――わかりました。家に連絡を入れます」
受話器を置いたあと、彼はスマホを出して耳に当てた。
何かあったのかも……。
やはり偽装のために、ここにいることを家に知らせていたんだ。
家との話を済ませた彼が眉根を寄せて戻ってくる。
「紬希、すまない。せっかく泊ってもいいと言ってくれたんだが、義父が捻挫をして明日のゴルフに出なくてはならなくなった」
「捻挫を……私はかまいません。大和さん、ゴルフ出来るんですね」
「大学の頃は向こうのアマチュアで大会に出ていたんだ。すまない。デザートを食べたら送るよ」
「何度も謝らないでください。体を休められない大和さんのほうが大変なんですから」
目の前の席に大和さんは腰を下ろす。
「ありがとう。義父も申し訳ないと言っていた」
「ここにいることをご存じだったのは、恋人の存在を再認識してもらうためですか?」