14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
　彼女をこんな風にさせたのはセクハラだったのかと、憤った。アメリカだったら裁判沙汰だ。

　その後、入念に調べた場所でランチや、サンキャッチャーを一緒に作ったり、道の駅でまた飲みたいと思わせるコーヒーを飲んだりして楽しい時間を過ごした。

　笑い合っていると、あの頃に戻ったようだった。

　母から勧められた会員制ホテルに泊まるつもりはなかったが、露天風呂も良かったし、食事も満足のいくものだった。

　紬希を襲うつもりは毛頭ないが、ここでゆっくり過ごしてもいいのではないかと考え、聞いてみた。

　無理強いすることなく、紬希も布団が別だったら泊っても良いと了承した矢先、義父からの連絡だ。

　階段で捻挫をしてしまい、明日のゴルフコンペの代理をしてほしいと言われ、あえなく俺の計画が潰れた。

　東京へ向かう車内で紬希は何歳でニューヨークへ行ったのか尋ねてきて、瞬時、心臓が跳ねた。

　十四歳と言うと、彼女は黙り込んだ。

　紬希も俺が中学生の頃に出会った大和だと思っているのだろうか？

　しかし、彼女はそのことについて何も言わなかった。

　俺にとってはあの出会いはずっと心に残っていたが、紬希にとってはどうってことはなく、忘れたのかもしれない。

　なんと言っても出発の前日の約束を破られたのだから。

　あの時の大和だと、気づいてほしかったのだろうか。

　いや、紬希があの時の大和だと知るときは、楽しかった思い出のある公園にしたい。
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