ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
 私はいつものように二人の言い合いを見守っていた。
 いつもなら須藤さんが私に目配せして私が動くと話が終わる。だが今日の須藤さんは何もサインを送らない。なぜだろうか。

 私は黙って成り行きを見る事にしたが、事態が悪化の一途をたどるだけだった。
 仕方ない。私は静かに立ち上がり須藤さんに歩み寄った。そして言った。

「私もパンイチになればい――」

 須藤さんの太い腕が私の首に巻き付いた。
 薄れゆく意識の中、松永さんの声が聞こえた気がした。

「俺ら奈緒ちゃんがパンツ見せてくれるって言ったから脱いだんですよ!」

 ――私はそんなこと、言って、ない……。

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