【SS集】きゅん、集めました
「髪はハーフツインテールに。ピンクのリボンで結びましょう」
可愛い…。
それは絶対に可愛い…!
「そうそう、今日の朝食はフレンチトーストだそうですよ」
えっ、なんて素敵な日なの…!?
「ふふ…さぁ、お嬢様。お目覚めの時間ですよ」
そっとかけ布団がめくられる。
わたしはゆっくりとまぶたを持ち上げて、一度まばたきをした。
「あなたは…誰…?」
ベッドカーテンを開けて、背中に日差しを受けながら私を見下ろしていたのは、執事服を着た男の人。
左の髪を耳にかけて、長い前髪を右に流したその人は、にこりと微笑んでお辞儀した。
「槙野紳二と申します。本日付けでお嬢様の専属執事となりました。これからよろしくお願い致しますね」
「槙野…」