視界に、火花が散る。
……迅の切り替えが遅いのもいつものことだ。

そして迅が先生に文句を言うのもいつものこと。

窓の外を見ながら、俺は先生の話を聞き流していた。





「夏月! 唯! やっと昼だ! 見に行くぞッ!」

「え~はやくなーい? まだご飯食べてないんだけどー」


唯が不満そうな声を出す。

といっても、俺も不満だ。

不満だし、呆れる。

四限目の授業が終わると、迅は勢いよく立ち、足早に俺と唯に近づいてきて、一言目があれ。


「昼休みたくさんあるじゃん! ご飯食べてからでよくない?」

「俺はめっちゃ楽しみだったんだ!」

「だからなに?」

「だからッはやく行こーぜ!」

「え~」

「わかった! 明日もアイス奢ってやるから!」

「なにが”わかった”なの……まあいーや。しょうがないから、明日も奢ってくれるなら今からでもいーよ」


唯って意外と単純だよな。

そんなことを思っていたら、唯が俺の方を見る。


「夏月くんはどうする~?」

「奢ってくれるなら俺も行く」

「じゃあ行こうぜ!」
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