視界に、火花が散る。
騒がしい迅を先頭に、階段で三階から二階に降りる。


「えっあれって汐咲(しおさき)先輩?!」

「え? ほ、ほんとだ!」

和泉(いずみ)先輩もいるよ!」

「汐咲先輩今日もクールでかっこいいっ!」

「和泉先輩は今日もかわいい~!」

「なんであの先輩たちが一年の階に?! ……てか、あの先輩たちの前にいるでかい人って誰だろう」


「……一年うるさ」


騒ぐ一年に対し、不機嫌になる唯。

少しずつだが、眉間にしわが寄ってきている。

いつものかわいさはどこへ行ったんだ……。


「あっここが一年四組?」

「そうなんじゃない? てか去年この階使ってたでしょ? 覚えてないの? 馬鹿なんじゃない?」

「ご、ごめん……」


不機嫌な唯が毒を吐く。

そしてそれを言われた迅が若干かみながらも謝る。
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