終焉告げる金色の蝶と死想の少女
柊と楪が介入する事は赦されない。叶える者はローエンで、従者はただ従うしかない。
それが常で、必然なのだから。
それでも楪は、不変を望まない。翠緑の少女となった蝶は想いのままに叫んだ。それは、心の水底から生まれた、紛れもなく楪の本音だった。
「主様……! 月伽様の望みは真実(ほんもの)です、だからどうか――」
それに、柊は当然驚いた。今までの楪なら絶対ありえない事だから。ローエンにも伝わってるはずだろうが、それを察する事ができるほど有能ではない。
ステンドグラスから射し込む光は、ローエンを神のように想わせた。“死神”のようにも見えるその男から出てきた言葉は、誰しもが予想しなかったものだった。
「死を想うのは。――生きたいと想うこと、なんじゃないですか。それに、あなたには待ち人がいる。その人と約束をしたのなら帰るべきですよ。どんな人との約束でも」
そろそろ頃合いなのだと、それは告げているようだ。
月伽も、何も語らない。
それが常で、必然なのだから。
それでも楪は、不変を望まない。翠緑の少女となった蝶は想いのままに叫んだ。それは、心の水底から生まれた、紛れもなく楪の本音だった。
「主様……! 月伽様の望みは真実(ほんもの)です、だからどうか――」
それに、柊は当然驚いた。今までの楪なら絶対ありえない事だから。ローエンにも伝わってるはずだろうが、それを察する事ができるほど有能ではない。
ステンドグラスから射し込む光は、ローエンを神のように想わせた。“死神”のようにも見えるその男から出てきた言葉は、誰しもが予想しなかったものだった。
「死を想うのは。――生きたいと想うこと、なんじゃないですか。それに、あなたには待ち人がいる。その人と約束をしたのなら帰るべきですよ。どんな人との約束でも」
そろそろ頃合いなのだと、それは告げているようだ。
月伽も、何も語らない。