終焉告げる金色の蝶と死想の少女
その先の記憶はもうない。
記憶はないが。月伽が終わりに見た風景(さき)には、果てしなく花の海が広がっていた。黄昏色の、あの花が。
――きっと。金色の蝶が終焉を叶えてくれたのだろう。
その花言葉は――《真実》だから。
月伽が想う通り、やはり死は美しかった。
生者であらねばならない理由はない。死者で、掴める青い夢もあるのだから。
記憶はないが。月伽が終わりに見た風景(さき)には、果てしなく花の海が広がっていた。黄昏色の、あの花が。
――きっと。金色の蝶が終焉を叶えてくれたのだろう。
その花言葉は――《真実》だから。
月伽が想う通り、やはり死は美しかった。
生者であらねばならない理由はない。死者で、掴める青い夢もあるのだから。