私に毒しか吐かない婚約者が素直になる魔法薬を飲んだんですけど、何も変わりませんよね?そうですよね!?
“ど、どうしよう!?やっぱり副作用が⋯っ”

せめて顔色を確認しようと、膝をついて俯いている彼の肩を軽く引き顔を覗きこもうとすると、それを阻止しようと彼が両腕で顔をガードする。


「や、やめろ!顔をっ、見るな!!」
「そうはいきません!とりあえずその腕外してくださいます!?」
「やめ⋯っ」

そんな彼の腕を無理やり掴んだ私は、力付くで彼と目を合わせて――


「⋯本当に、なんて美しいんだクリスタは」
「は?」

息も絶え絶えだったはずの、私に毒しか吐かない婚約者が⋯


“こ、壊れちゃった?”
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