王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
なんだか言いくるめられているようでいまいち納得が出来ず、思わず怪訝な顔を向けてしまう。
そんな私に気付いたのか、彼も少し考え込んで。


「⋯そんなに、俺は好きになれそうにないのかな⋯」
「!!!」

伏し目がちに彼がしょんぼりとしてしまい、私は焦った。

“大変だわ!彼の素行調査の理由は彼が次期宰相に内定したから!つまり国を担う大事な存在!!それなのに!”
「私のせいで傷付いて国を傾けてしまうかもしれませんわ~っ!!?」
「あはは、傾国美女だねぇ」
「ど、どうして考えていることが!?」
「んんっ、だから口に⋯いや、君はずっとそのままでいて欲しいかな、あの頃みたいに」
「あの、頃⋯?」


言われた事がいまいち理解出来ないが、だがここで国を傾ける訳にはいかない。
何故なら私は王家の影を担う一家なのだから!
国を支えるべき私が国を傾けるなんてあってはならない訳で。


「わかりましたわ!きっちり責任取っていただきます」
「うん、もちろんダフネ伯爵にも陛下にも殿下にも許可は貰ってるんだけど、明日改めてご挨拶に伺うね」
「えぇっ!?どうしてもう許可が出ておりますの!?」
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