王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
ポンコツ令嬢は次期宰相様と××したい

1.クビというのは表向き!⋯ですわよね?

――王家の影。
主君の手足となり自国他国問わず暗躍する忠実な存在。

そんな王家の影を担うダフネ伯爵家の娘である私ことクリスティナ・ダフネは、先日はじめての任務を完璧かつ大胆、それでいて華麗にこなしたばかりだったのだがー⋯



「お、お父様っ!?ど、どういうことですの!私にもう任務が与えられないだなんてッ!」
「そのままの意味だ、クリスティナ。今後お前に影の任務が与えられることはない」
「英断です、父上⋯っ!」

父の執務室に呼ばれた私に告げられたのは、そんなとんでもない宣言だった。

“ど、どういうことなの⋯!?”
「やはり私に才能がありすぎたのかしら⋯っ!?」
“暴いてはいけない部分まで暴いてしまったに違いないわ!”
「ディーデリック様が実は童貞だったと知ってしまったからね⋯っ」
「んんッ、クリスティナ、心の声を頼むから口に出すのは止めてくれ⋯ディーデリック様が不憫だから」

ガシッと兄に肩を掴まれた私は、兄の目に涙が滲んでいる事に気付く。

「お前のはじめての任務を完璧だったかは別だが達成したことは不本意ながら事実だ」
「何故不本意なんですの」
「そしてその結果どうなった?」
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