王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
「⋯クリスティナ、まずは殿下に挨拶をしろ」
サクッと兄に指摘された私はハッとし、慌てて殿下に向き直る。
私の無作法でディーデリック様まで恥ずかしい思いをさせてしまったかもとチラリと彼を見上げるが、相変わらず笑顔を崩さずにこりと微笑みかけてくれー⋯
「構わないよ、君がディーデリックを射止めたクリスティナ嬢か」
ディーデリック様に負けず劣らず笑顔をこちらに向けてくださった殿下。
もしかしたらこの場に殿下の側近であるディーデリック様と、殿下の影の顔も持つ兄がいるからなのかもしれないがー⋯
“思ったよりも気さくな方なのね”
「私も殿下の影として任務を行っていた可能性があったのかしら⋯」
「――⋯⋯。」
“といっても、今の私はディーデリック様のものなのだけれどもね!”
現実にならなかった未来を想像し、そして自身の現実を考える。
もし過去に戻る能力が私にあったとしても、きっと私は今と同じ未来を選ぶだろう。
――そう考えると、彼が隣にいるこの現実がくすぐったく感じ頬が弛みそうになる。
「やだ、笑っちゃいそうだわ!」
「ふぅん、そんなに殿下に会えたのが嬉しいのかな⋯」
「え?」
サクッと兄に指摘された私はハッとし、慌てて殿下に向き直る。
私の無作法でディーデリック様まで恥ずかしい思いをさせてしまったかもとチラリと彼を見上げるが、相変わらず笑顔を崩さずにこりと微笑みかけてくれー⋯
「構わないよ、君がディーデリックを射止めたクリスティナ嬢か」
ディーデリック様に負けず劣らず笑顔をこちらに向けてくださった殿下。
もしかしたらこの場に殿下の側近であるディーデリック様と、殿下の影の顔も持つ兄がいるからなのかもしれないがー⋯
“思ったよりも気さくな方なのね”
「私も殿下の影として任務を行っていた可能性があったのかしら⋯」
「――⋯⋯。」
“といっても、今の私はディーデリック様のものなのだけれどもね!”
現実にならなかった未来を想像し、そして自身の現実を考える。
もし過去に戻る能力が私にあったとしても、きっと私は今と同じ未来を選ぶだろう。
――そう考えると、彼が隣にいるこの現実がくすぐったく感じ頬が弛みそうになる。
「やだ、笑っちゃいそうだわ!」
「ふぅん、そんなに殿下に会えたのが嬉しいのかな⋯」
「え?」