王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
「ふぅ、良かったわ。突然咳き込まれたから、喉に何か詰まったのかと思って焦りました。生きててやっほいです!」
「ぶっ」
「???」

“今確実に⋯”

「笑いましたわよね?」
「すやすや」
「寝ておりますわね」
「⋯っ、くっ、す、すや~」

しっかり彼が寝ている事を確認した私は、改めて彼のベッド周りを確認する。

“人が4人は軽く並んで寝れそうなベッド⋯”
「このベッドならば、お兄様とディーデリック様という成人男性同士でも営めますわね⋯」
「そんな性癖、俺も義兄様にもないかなぁ⋯」
「え!?」
「すやぁ」
「まぁ、なんて的確な寝言を!流石次期宰相様ですわ!」

“兄との間は勘違いですのね⋯?”
彼の寝言を聞いて確信する。

「寝言で嘘は言えませんものね」

兄の片想いの線も消えた事に少し安堵した。
何故なら私は今から彼の女癖を調べなくてはならないのだから。

“男にはなれませんもの!男性遍歴まで調べることにならなくて良かったわ”


私に与えられた任務は、彼の女癖⋯というか彼の素行を調べる、である。

「宰相が女に現を抜かして国を傾ける、なんてあってはなりませんものね!!!」
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