王家の影はポンコツ令嬢!はじめての任務で×××
なんて笑う彼の声を聞きながら、気付けば私は意識を手放してしまっていた。
「⋯ってことがあってね」
くすくすと楽しそうに話すのはディーデリック様。
ガラスで囲まれた温室の中には柔らかな紅茶の香りが漂い心地いい。
四方を囲むのは、王家の庭園にしかないとされる赤い薔薇。
“――それもそのはず”
「だってここは王家の温室なのですから⋯っ!」
「わぁ、場所の説明ありがとうクリスティナ」
「どういたしましてですのよ!」
優雅に微笑み合う私達の向かいには、何故か項垂れている王太子殿下がそこにいた。
「ふふ、でも振り回されるのも悪くないなって思うようになったんですよ」
「違う、振り回されてるのはお前じゃない、我々だ⋯」
“具合が良くないのかしら?”
少し顔色が悪い気がしてそっと殿下の表情を覗こうとすると、すかさずディーデリック様が私の肩を引き寄せる。
もちろん個別の椅子に座っているのだが、一応『私達の婚約報告』という名目で登城したので、ディーデリック様の指示通り椅子と椅子をぴたりと引っ付けていて。
「⋯ってことがあってね」
くすくすと楽しそうに話すのはディーデリック様。
ガラスで囲まれた温室の中には柔らかな紅茶の香りが漂い心地いい。
四方を囲むのは、王家の庭園にしかないとされる赤い薔薇。
“――それもそのはず”
「だってここは王家の温室なのですから⋯っ!」
「わぁ、場所の説明ありがとうクリスティナ」
「どういたしましてですのよ!」
優雅に微笑み合う私達の向かいには、何故か項垂れている王太子殿下がそこにいた。
「ふふ、でも振り回されるのも悪くないなって思うようになったんですよ」
「違う、振り回されてるのはお前じゃない、我々だ⋯」
“具合が良くないのかしら?”
少し顔色が悪い気がしてそっと殿下の表情を覗こうとすると、すかさずディーデリック様が私の肩を引き寄せる。
もちろん個別の椅子に座っているのだが、一応『私達の婚約報告』という名目で登城したので、ディーデリック様の指示通り椅子と椅子をぴたりと引っ付けていて。