あの頃言えなかったありがとうを、今なら君に
嘘!と一気に青ざめる私を見た盛岡は一瞬キョトンとし、そしてクスリと笑った。
「ま、山形の責任なのは間違いないな。その責任を取って腐らせる前に食ってくれ」
「え⋯ちょっ」
そのまま押し付けるようにお弁当を渡してきた盛岡は、何故か上機嫌で給湯室を出ていって。
“な、なんでここで鼻歌交じりなのよ⋯”
意味がわからない行動に頭を悩ませつつ、これは食べるしかないやつだとそのままレンジで盛岡のお弁当を温めた。
――ちなみにこれは余談だが、盛岡のお弁当は彩りこそなかったが、どれを食べてもとても美味しかった。
いつものお弁当の倍はあったのだが、それでもペロリと食べれてしまい⋯
“⋯ぅ、流石にちょっと苦しいわね”
とパンツスーツのボタンを1つずらしたのは内緒である。
そして貰ったものは返さなくてはいけない訳で⋯
“このお弁当箱に私も何か作って詰めれればいいんだけど”
残念ながら得意料理であるゆで卵を目一杯詰めて怒られる⋯そんな未来しか見えなかった私は、仕方なく洗ったお弁当箱とふせんを貼ったエナジードリンクを2本こっそりと彼の机に置いておいた。
「ま、山形の責任なのは間違いないな。その責任を取って腐らせる前に食ってくれ」
「え⋯ちょっ」
そのまま押し付けるようにお弁当を渡してきた盛岡は、何故か上機嫌で給湯室を出ていって。
“な、なんでここで鼻歌交じりなのよ⋯”
意味がわからない行動に頭を悩ませつつ、これは食べるしかないやつだとそのままレンジで盛岡のお弁当を温めた。
――ちなみにこれは余談だが、盛岡のお弁当は彩りこそなかったが、どれを食べてもとても美味しかった。
いつものお弁当の倍はあったのだが、それでもペロリと食べれてしまい⋯
“⋯ぅ、流石にちょっと苦しいわね”
とパンツスーツのボタンを1つずらしたのは内緒である。
そして貰ったものは返さなくてはいけない訳で⋯
“このお弁当箱に私も何か作って詰めれればいいんだけど”
残念ながら得意料理であるゆで卵を目一杯詰めて怒られる⋯そんな未来しか見えなかった私は、仕方なく洗ったお弁当箱とふせんを貼ったエナジードリンクを2本こっそりと彼の机に置いておいた。