あの頃言えなかったありがとうを、今なら君に
「とりあえず30秒くらいで熱くなるかしら?ていうか昔のレンジって回ったわよね。いつから回らなくなったのよ⋯」
誰もいない事をいいことにぶつくさ言いながらスタートを押そうとして、ハタ、と止まる。
“そういえばー⋯”
ー⋯そういえば。
あれは私が営業としてなんとか一人立ちしたくらいの頃にやたらと腹立つ同期がいて。
私と同じ新卒入社だが、大学院を出ていた彼・盛岡大輔は私より3歳年上。
そして、大学院を出ているというだけで給料も、そして上司からの評判も私より良かった。
“何よ、学力が全てじゃないんだから!”
なんて当時の私はいつも内心張り合っていて⋯
そしてその月も営業成績は僅差で負けているのが悔しく躍起になって残業してー⋯
「あの時も、気付けばコーヒー冷めちゃってたのよね⋯」
ガチャ、と乱雑に電子レンジを開けた私はその当時会社の給湯室に設置されていたレンジのターンテーブルに紙コップのコーヒーを置いてスイッチを入れてー⋯
「バカか!ポリエチレンが溶けるだろ!」
気付けばその気に食わない同期である盛岡に怒鳴られていた。
「は、はぁ!?急になんなのよ!」
誰もいない事をいいことにぶつくさ言いながらスタートを押そうとして、ハタ、と止まる。
“そういえばー⋯”
ー⋯そういえば。
あれは私が営業としてなんとか一人立ちしたくらいの頃にやたらと腹立つ同期がいて。
私と同じ新卒入社だが、大学院を出ていた彼・盛岡大輔は私より3歳年上。
そして、大学院を出ているというだけで給料も、そして上司からの評判も私より良かった。
“何よ、学力が全てじゃないんだから!”
なんて当時の私はいつも内心張り合っていて⋯
そしてその月も営業成績は僅差で負けているのが悔しく躍起になって残業してー⋯
「あの時も、気付けばコーヒー冷めちゃってたのよね⋯」
ガチャ、と乱雑に電子レンジを開けた私はその当時会社の給湯室に設置されていたレンジのターンテーブルに紙コップのコーヒーを置いてスイッチを入れてー⋯
「バカか!ポリエチレンが溶けるだろ!」
気付けばその気に食わない同期である盛岡に怒鳴られていた。
「は、はぁ!?急になんなのよ!」