あの頃言えなかったありがとうを、今なら君に
かなり呆れた声に動揺しつつそっと盛岡の脇から覗いた電子レンジは、扉こそ吹っ飛んではいなかったものの、中はチンしたゆで卵が破裂し残念な事になっていて。
「あぁー、これウェットティッシュで何とかなるかしら⋯」
「⋯ていうかな、俺にはこれ、卵に見えるんだが?」
「は?」
ダメになってしまったおかずを残念に思いながら、備品であるレンジが壊れてなさそうで安心しつつそう言う私に盛岡が見たままのことを言ってきて。
「えぇ、昨晩ゆで卵作ったのよ」
「それはいい。で、何でチンした?」
「あったかい方が好みだから」
「じゃ、なくて!」
何故盛岡がこんなに苛立っているのかわからない私が怪訝な顔を彼に向けると、相変わらずの嫌みったらしい大きなため息が聞こえた。
「卵をチンしたら爆発するって、小学生でも知ってるぞ」
「え、それって生卵だけじゃないの?ゆで卵はもう固まってるから膨張しないと思ったんだけど」
「するんだよ!つかしたから爆発したんだろ!!」
そんなばかな、なんて思いつつ、それでも爆発してしまったのは確かで。
“レンジで破裂するの、生だからとかじゃなかったの⋯”
「あぁー、これウェットティッシュで何とかなるかしら⋯」
「⋯ていうかな、俺にはこれ、卵に見えるんだが?」
「は?」
ダメになってしまったおかずを残念に思いながら、備品であるレンジが壊れてなさそうで安心しつつそう言う私に盛岡が見たままのことを言ってきて。
「えぇ、昨晩ゆで卵作ったのよ」
「それはいい。で、何でチンした?」
「あったかい方が好みだから」
「じゃ、なくて!」
何故盛岡がこんなに苛立っているのかわからない私が怪訝な顔を彼に向けると、相変わらずの嫌みったらしい大きなため息が聞こえた。
「卵をチンしたら爆発するって、小学生でも知ってるぞ」
「え、それって生卵だけじゃないの?ゆで卵はもう固まってるから膨張しないと思ったんだけど」
「するんだよ!つかしたから爆発したんだろ!!」
そんなばかな、なんて思いつつ、それでも爆発してしまったのは確かで。
“レンジで破裂するの、生だからとかじゃなかったの⋯”