魁星堂へようこそ

はじまり

あの日、全てが変わった。


科学が発達し、AIが政治の一部を担うことになった。


開発技術が発達し、機械でできないことは無くなった。


そんな時、アメリカで一つの論文が発表された。


―神は、存在しない。


その論文は神―人ではない存在―を科学的に否定するものだった。


今まで、神は存在しないことを証明できなかった。


だが、この論文は、AIを使った緻密な計算、世界中の様々なデータを用い、


その存在はいない、とした。


そして、その論文の正当性を、アメリカ政府が認めたことにより、


―世界は第三次世界大戦が勃発した。


アメリカのようにこの論文を正しいと思う国と、否定する国。


今まで溜まって来ていたものが、一気に爆発したのだ。


この戦争は、信じぬものの圧勝で終わった。


戦勝国は大々的に神の存在はいないとし、その存在を徹底的に破壊した。


その波は建築物から絵画、そして、本にも及んだ。


戦勝国は神の存在を認める本を全て燃やし、さらに神の影響を受けて作られたであろう本も


―全て燃えた。

―そう、思われていた。
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