トクベツにならないで〜独占欲の強い少女は人気アイドルになびかない〜


今日は土曜日。
学校がないから何をしよう……。


学校はもちろん嫌いだけど休みの日はすることがないからもっと嫌いだ。
いつもは大体いつもの公園に行ってぼーっとするが……。


(あ、そういえばシャンプーがなくなってたっけ。暇つぶしにもショッピングモールにでも行こうかな。)

今日の予定が決まったためコートとマフラーを掴んで家を出た。


今は冬だけど今日は日が照っているおかげでそこまで寒くない。
絶好のお出かけ日和だ。


都市に近づくにつれて人が多くなる。


サラリーマンっぽい人たち、手を繋いで歩くカップル、集団で固まっている女子高生たち。



馬鹿らしいと私は思う。



誰かに気に入られるように猫被ってそんな自分に満足している人達。

都合が悪くなったら皆離れていくことなど知らず周りを信じてる平和な人達。

(……馬鹿だな)

結局、信じられるのは自分だけなのに。


…まあこの人達がどうなろうと私には関係ないけど。

そして、こんなひねくれた考えを持つ私もまた、馬鹿なのだろう。

私は目を逸らすように空を見上げる。
今の気分とはまるで違う雲ひとつない快晴の空だった。
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