トクベツにならないで〜独占欲の強い少女は人気アイドルになびかない〜
変わり始めた日常
出会い
今日から2年生
いつも通り一限目の授業にギリギリ間に合うくらいで教室に着いた。
進級しても変わることはないそう思っていた……のに。
「よろしくね、一ノ瀬さん」
私だけを取り残し、いつもより賑やかな雰囲気の教室で隣の席の無駄にキラキラしてる爽やかな男がなぜか話しかけてきた。
誰、こいつ。
“高嶺の花“やら“孤高の美女“やら…。
わけわからない噂を色々言われている私に話しかける変わり者がこの学校にいるとは思わなかった。
それに周りからの視線が痛い。
さっきまでうるさいくらい賑やかだったのに
今はシーンと静まり返っている。
私に話しかけた人が珍しいからなのか。
……イケメンが私に話しかけたからなのか。
後者ではないことを願おう。切実に。
「……」
話しかけられることなんて普段ないから驚いた。
面倒くさいな……。
「あ、俺今日転校してきたの。俺のこと知ってる?」
は?知るわけないじゃん。
自意識過剰…いやナルシストか。
っていうか転校生なら私の事知らなくて当然だろう。納得した。
……まあ、私の噂を聞けばきっと彼もすぐ離れていくだろう。
「…知らない。」
「そっか…。結構認知されてると思ってたから凹む…。」
「……」
やっぱり自意識過剰…。
「あっ、俺は逢崎 類。一応アイドルやってる。あの…be shineっていうグループ知らない?」
be shine……
なんか静寂が嫌でテキトーに流してるテレビで名前を聞いたことある…ような。
「聞いたことはある…気がする。たぶん」