愛を私にください 〜愛されたい姫〜
side 理緒
「―人殺しのくせに」
奈也がスミレに『言ってはいけないこと』を言ってしまった。
あいつのトラウマ。
触れてはいけない一面
たとえ、あいつが礼美をいじめてたとしても、これだけはふれていなかった。
触れてかいけなかった
でもたった今、奈也がその『ルール』を破ってしまった
「はっ、はぁっ」
やば、スミレが過呼吸状態になっている。
思わず、手を差し伸べた。
なんだか、その姿が可哀想に思ったから。
でも、スミレは僕の手を取らなかった。
―パシッ
振り払われた。
その時のスミレの目には何もうつしていなかった。ただただ、怯えの色が滲んでいた。
この姿を見た時、僕は一瞬だけど、本当は、
―スミレは礼美のことをいじめてないんじゃないか、と思ってしまった。
本当に、一瞬だけど、
ねえ、スミレ、お前は僕たちを裏切ったんだよね?
どうして、
どうしてそんなに悲しそうな目をするの?
僕は、君がわからないよ、
もしも、もしもスミレが僕たちを裏切っていなかったら、僕たちはどこで間違えたの?
礼美、君はいじめられてるんだよね…?
僕たちの、判断は、間違ってないよね。
もう、なにもかも、わかんないよ…。
「―人殺しのくせに」
奈也がスミレに『言ってはいけないこと』を言ってしまった。
あいつのトラウマ。
触れてはいけない一面
たとえ、あいつが礼美をいじめてたとしても、これだけはふれていなかった。
触れてかいけなかった
でもたった今、奈也がその『ルール』を破ってしまった
「はっ、はぁっ」
やば、スミレが過呼吸状態になっている。
思わず、手を差し伸べた。
なんだか、その姿が可哀想に思ったから。
でも、スミレは僕の手を取らなかった。
―パシッ
振り払われた。
その時のスミレの目には何もうつしていなかった。ただただ、怯えの色が滲んでいた。
この姿を見た時、僕は一瞬だけど、本当は、
―スミレは礼美のことをいじめてないんじゃないか、と思ってしまった。
本当に、一瞬だけど、
ねえ、スミレ、お前は僕たちを裏切ったんだよね?
どうして、
どうしてそんなに悲しそうな目をするの?
僕は、君がわからないよ、
もしも、もしもスミレが僕たちを裏切っていなかったら、僕たちはどこで間違えたの?
礼美、君はいじめられてるんだよね…?
僕たちの、判断は、間違ってないよね。
もう、なにもかも、わかんないよ…。