愛を私にください 〜愛されたい姫〜
「すみれっ!」

「玲香!どうしたの!」

今日もいつもどおり、教室に入ると玲香が抱きついてきた。
なんか、可愛い妹みたい…。
あぁ…礼美とは全く違うな。

玲「今日一緒に遊びに行こう!」

ス「うん!音夢たちもさそう?」

最近音夢たちと遊びに行ってないからなあ…。

玲「ううん!今日は二人で出かけるの!」

玲香はニパッと笑ってそういった。

ス「そっか!じゃあ今日は女子会だね!」

私がそう言うと玲香は顔をほころばせて

「うん!」

と嬉しそうにいった。

あー、こんな毎日が、ずっと続けばいいのに。

いつか壊れてしまうものなんて、最初から手に入れなければいい。

大切なものができれば、それを大切に思えば思うほど、失った時、

悲しくなる。

だから私は大切なものなんて作ってきてなかった。

―いつか失ってしまうのかな?玲香たちのことも

いつか失うものなんて。いらない。

でも、私にはこの人たちが必要、本能的にそう思ってしまっている。


「―ハハッ、私、ばかみたいだなあ。。。」

―失いたくないなんて…。

「私は、いなくならないよ」

ふいに玲香がそんな事を言ってきた。

ス「っ、え?」

意味が、分からない。

玲「私がゆめ花ちゃんの分までスミレのこと、幸せにさせるから。」

玲香は、

こんな私に
なんでこんなに優しい言葉をかけてくれるの?

玲「だから、そんなに、泣きそうな顔をしないで…。」

え…?
私、今どんな顔してるんだろ。

怒り?無?

それとも


―悲しい顔?

玲「今の、スミレの顔はなにか抱え込んでる、辛そうで、苦しそうで、壊れそうで
―悲しそうなんだ。ねえ、スミレ。お願いだからっ、そんな顔しないでっ!」
…っ

ス「いなくならないでっ、!」

ポロッと思っていたこと、

ずっと、ずっと、心奥底にしまっていたものが溢れた。

ス「もう、これ以上大事な人を失いたくない…っ!」

玲「スミレ…。」


ス「―、怖いよ…っ!」

玲 「っ、大丈夫、もう、誰もいなくなんてならない。」

ス「みんな、そういうんだ!王塁のときだって!みんなそう言ってた!なのに、なのに、…」

玲「私達は、ぜっっったいにスミレを信じてる。絶対に守る。だから、私と、私達と親友になって!」

親友…。

なんだか、友達って言われるよりずっと、ずっと、

―響きがいいなあ

ス「…ふふっ。なんだかそれって、親友のプロポーズ、みたいだね!」

玲「プロポーズ…じゃあスミレの初プロポーズは私がもらっちゃったなあ♪」

ス「…!そうだねっ、じゃあ玲香は私の友達で、私の”親友第一号”だねっ!」

玲「ふふっ、この立場だけは、絶対にあいつらには譲らないわ!」

ス&玲「「じゃあ、女子会といきますか!!」」

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