転校から始まる逆ハーレム(本人に自覚なし)
「分厚い方の冊子は元々の規則、手書きの方の冊子は高等部に関係する規則だけを書かれたものだ。その上無くなった校則が省かれていて実質ないに等しくなっているものは赤字で書かれている。手書きの方が読みやすいだろう。」
ないに等しいって…スマホのこととかかな…。
そう思って開くと案の定スマホのことは赤字で書かれている。「髪を染めてはならない」「制服を着崩してはいけない」「中等部の生徒が高等部に来るためには許可証をもらう必要がある」「故意に怪我を負わせたり、物を破壊してたりしてはいけない」「怪我を負わせる、物を壊すなどの問題が起こった場合、生徒会への報告義務があり、生徒会は職員会議で報告する」「放課後7時以降に学校に残るには職員がついていなくてはならない」…
黒、赤、黒、黒、黒、赤…赤字もかなりある。赤字を抜いたらそこまで多くはないけれどかなり多くの規則があったみたいだった。必要そうな赤字の規則もあれば、必要のなさそうな赤字の項目もあった。前の生徒会長はこの見逃すべきなのと注意すべきなのの匙加減が分からなかったからスマホを許しちゃったのかも…
読み終えると、陸くんと咲ちゃんは反省文をちょうど書き終えたタイミングだったみたいだった。
「やっと終わったー!もう5時半だよ…」
「つかれた…」
「これに懲りたら忘れ物を届けるなんてことにならないよう気をつけろ。」
「まぁ最低限見つからないようにしとけよな」
戸部先輩がまるで生徒会役員のよう…また一之瀬先輩に怒られてるなぁ…
「あ、あの…」
生徒会役員の男の子が声をかけてきた。
「巻き添えになってしまったんですよね。これよかったら…」
と、市販のクッキーを差し出してくれた。
「貰っていいの?ありがとう!」
さっと顔を背けて生徒会室から出て行ってしまった。誰だったんだろう…
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