転校から始まる逆ハーレム(本人に自覚なし)
その後から何となく叶くんは私への態度が柔らかくなっていき、ほっておかないでとまで言うようになった。なんでだろ…
ある日突然わたしをじっとみていた叶くんがこう言ってきた。
「姉ちゃん、せっかく転入するんだし髪切らない?」
確かにこの前髪は邪魔だ。人と向かい合うのが怖くて伸ばしていたけれど、せっかく新しい環境になったのだから短くしたいかも…
そう思って美容室に行ってきた。
「ただいま〜」
幼稚園以来の長さの前髪に違和感を感じつつ靴を脱ぐ。
「おかえり姉ちゃん!」
と駆け寄ってきた叶くんがフリーズした。
「切らせなければ良かった。ライバル増えるじゃん。」
叶くんが何か呟いた気がしたけど…こっちをみてない。もしかして変だった…!?
心配になって叶くんの顔を覗き込むと叶くんの顔が真っ赤になった。
近づきすぎちゃった!?前嫌だって言ってたし嫌われちゃうかも…!?
不安になってちょっと涙が込み上げてくる。それをみた叶くんが
「似合ってる!可愛いよ姉ちゃん!」
とお世辞を言ってくれた。ごめんね弟に気を使わせちゃって…
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