俺の好きな人【完】
俺、平廉人(たいられんと)は高校二年生、特に部活をするわけでもなく、バイトをして、それなりにいる友達と連んで、緩く生活してる。
朝は昔から超苦手
ただ最近そんな退屈で平凡な生活に、色がつき始めた
息を切らしてなんとか滑り込んだ教室
「ねぇ、優の好きな人教えてよ〜」
いつもより騒がしい女子たちの声が耳に入る
その言葉に思わず聞き耳を立ててしまう
「ええ、やだよー。みんな言いふらしちゃうでしょ?」
透明感のある綺麗なソプラノの声を発して、輪の中で眩しく微笑む彼女の名前は、神橋優(かんばしゆう)
誰にでも平等で、明るくて、よく笑う。なのにどこか品があり、友達も多くて、成績も優秀
色素の薄い瞳の色、艶めいて長い黒髪、真っ白で細い腕、美しくもあり可愛くもある顔立ち
誰もが彼女のことを好きになったことがあるんじゃないかと思うくらい素敵な人