俺の好きな人【完】
そして、俺の好きな人
「言わない言わない!絶対言わない!」
楽しそうに話し続ける女子たち
ちょっと、待って、
…一大ニュースじゃん。
「同じクラス?」
…神橋さんに好きな人がいるらしい。
なんとか気を確かにもって、自分の席へ着くけど、もう女子たちの話しか耳に入ってこない
「え!!違うよっ、違う!」
そう言って全力で否定する神橋さん
神橋さんの好きな人は、どうも別のクラスの人らしい
俺には一ミクロの望みもない。
俺の初恋は見事に散ったわけだ。
神橋さんにも好きな人くらいいるよな。
…あー、完全な片思いだ。
「おはよ、廉人」
失恋したての俺に女子の声とは、反対から声がして振り返ると、
「…玄太か…はよ」
なんだよ、こんな時に。