姉の婚約者はワルイ男

第10章 はじめてのヤキモチ




「3週間後の土曜日に高校の同窓会があるんだけど」


松葉さんからこんな話を聞かされたわたしは、胸がそわそわした。

松葉さんとは毎週土曜日にお家デートをしているから、事前に伝えてくれたのだと思う。

だけど、わたしからするとこんなに早く知りたくはなかったような、でも知っておきたかったような、そんな気持ちだった。


「いいですね。高校の同窓会。楽しんできてください」

「なに、柚葉ちゃん。土曜日会えなくなっちゃってさみしーの?」

「そういうわけじゃないです」


さすが、松葉さん。

わたしの雰囲気が少し違うことにすぐに気づいてくれる。

でも、わたしが気になっているのはそのことじゃない。


「同窓会は結構参加するんですか?」

「うん、そうだね。今回は参加人数が多いんだって。クラスの3分の2は参加するみたい」

「そうなんですね。仲いいですね」

「そうだね。結構3年生のクラスはみんな仲良かったかな」


そんなに参加する予定なら、やっぱりあの人も来るかもしれない。

前に見せてもらったアルバムに乗ってたあの女性も。

松葉さんの腕を組んでた、たぶん松葉さんの元カノ。

松葉さんが元カノと会うかもしれないと思うと、気が気ではないみたい。

わたし、思っていたよりも、ずっと———


< 104 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop