姉の婚約者はワルイ男
第10章 はじめてのヤキモチ
「3週間後の土曜日に高校の同窓会があるんだけど」
松葉さんからこんな話を聞かされたわたしは、胸がそわそわした。
松葉さんとは毎週土曜日にお家デートをしているから、事前に伝えてくれたのだと思う。
だけど、わたしからするとこんなに早く知りたくはなかったような、でも知っておきたかったような、そんな気持ちだった。
「いいですね。高校の同窓会。楽しんできてください」
「なに、柚葉ちゃん。土曜日会えなくなっちゃってさみしーの?」
「そういうわけじゃないです」
さすが、松葉さん。
わたしの雰囲気が少し違うことにすぐに気づいてくれる。
でも、わたしが気になっているのはそのことじゃない。
「同窓会は結構参加するんですか?」
「うん、そうだね。今回は参加人数が多いんだって。クラスの3分の2は参加するみたい」
「そうなんですね。仲いいですね」
「そうだね。結構3年生のクラスはみんな仲良かったかな」
そんなに参加する予定なら、やっぱりあの人も来るかもしれない。
前に見せてもらったアルバムに乗ってたあの女性も。
松葉さんの腕を組んでた、たぶん松葉さんの元カノ。
松葉さんが元カノと会うかもしれないと思うと、気が気ではないみたい。
わたし、思っていたよりも、ずっと———