姉の婚約者はワルイ男



「まさかクラスの子のお兄ちゃんが犯人だったなんて。ビックリしましたね」

「ねー。気弱なにーちゃんだと思ってたのに、まさかだったよね」


これまでも犯人はやっぱり刑事さんじゃないのか、教頭先生じゃないのかといろいろ考察をしてきた。


でも、その期待を明らかに上回る大満足のドラマだったと思う。

わたしたち2人はソファーに座って、余韻にひたっていた。


「柚葉ちゃん、気はまぎれた?」

「え?」

「最近元気なかったからね、柚葉ちゃん」


やっぱり今日の突然のお迎えは、わたしのことを気にかけてくれていたからだったんだ。

でも、元気がなかった原因は松葉さんにもあるなんて、すぐには言えない。


「俺さ、考えたんだけど。柚葉ちゃんの様子がおかしくなったのって、同窓会の話をしたころからだよね」


あのときは、気づいた様子じゃなかったのに、あれからずっと考えてくれていたのかな。


< 112 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop