姉の婚約者はワルイ男
「あのさ、結婚式のことだけど」
「早く決めないといけないですよね」
「そろそろね。まずは式場から」
「今度見学の予約とっておきましたよ」
俺たちは、来年結婚式を挙げる。
ずっと想ってきた彼氏がいるゆずを待って待って、ようやく手に入れることができたんだ。
「ハネムーンベイビーも授かれるように頑張ろうかな」
「絢斗さんが言うと、実現しそうで怖いです」
「なんで?」
「だって、絢斗さんすごく計画的だし」
「ワルイ男だもんね」
もうすぐゆずと家族になれる。
そんな喜びを毎日感じられることが、俺を満たしてくれる。
「愛してるよ、ゆず」とささやくと、「わたしもですよ、バカ」と返ってきた。
END