姉の婚約者はワルイ男
続きを見せてくれるのは、ありがたいけどお泊りとなれば話は別だ。
でも、続きが気になって仕方がない。
こんなにもハマるドラマだと思わなくて、つい考えてしまった。
「なに、柚葉ちゃん。悩んでんの?」
「いやっ、悩んでるわけじゃ……」
すぐに気づかれて、慌ててはっと表情を整えた。
それだと遅かったようで、そんなわたしを見たこの男はふっと笑う。
「そんなに悩んじゃって、かわいーね、柚葉ちゃん」
笑い続けるこの男を見ていたら、だんだんと冷静になってきた。
やっぱり悩むまでもなかった気がする。
お泊りは断じて“ない”。
この男にここまでからかわれるのは、なんだか癪だった。
「じゃあ、柚葉ちゃん。次はいつにする?」